Once upon a time -- Water Crown
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夜目遠目笠の内、とはよく言ったもので。

BLに限らず新人賞の批評を読んでいると、時折「古い」という指摘を目にする。文章が古い、感性が古い、アイディアが古い、といった意味だ。
平成日本が舞台なのに赤紙が届くのはまずいだろうが(笑)、作家も読者も高齢礼賛の昨今、どうして作品が「古く」なってしまうのだろうと考えていた。昭和中堅の当方にとって他人事とは思えないのだ(^^;

たとえば、絵本を書けと言われたとする。
技術的な話を抜きにすれば、自分が幼少期に読んだ作品を思い浮かべながら書く。昔はこういうのが好きだったんだよねー、子供の頃にこんなのが流行っていたよねー、と。絵本などは時代の影響を受けにくいだろうが、無自覚のうちに、投稿作でも同様のことをやっている可能性に気づいた。

多感な時期に読んだ少女漫画やライトノベルは、巧くデフォルメされた「時代」を反映していた。
学校に遅刻しそうな主人公はパンを咥えたまま走り、憧れの先輩は非の打ち所がないヒーローで、出逢いのきっかけは曲がり角での鉢合わせだった。父親は厳しく封建的、母親は小うるさいが優しい専業主婦で、鬼教師はチョークを投げる程度だった。極端な話、それが自分の認識している「青春物語」の原点だ。

10代を主人公にした物語を書く時など、読者の想定を見誤ってしまうことがある。
自分が10代だった頃の感覚で書き、今まさに同年代! という読者には理解出来ないものを創ってしまう。
いくら時代は繰り返すと言われても、繰り返される時代の中身はやはり新たなもので、カミナリ親父もリーゼントのツッパリも、絆創膏だらけの指を隠して手作り弁当を差し出す幼馴染みも、古き良き時代のナントカだ。

『積木くずし』という作品がTVドラマ化された折、主役を演じた平成生まれの女優は「親にぶっ殺すと言いながら、実際には殺さないところが昭和っぽい」と語ったのだという。

古くても受け入れられるものがある。
古いからと拒まれるものがある。
そのボーダーラインを見極めることも、今の自分が思っているよりずっと、重要なことかも知れない。



以下、コメントレス。


Iさん

拍手コメントありがとうございます。
確かに作家余りで、玉石混淆の中から自分だけの宝石を探し出すのは、至難の業になってきましたね。これからは文字通り、クチコミがものを言う時代になるのかも知れません。
ただ、開拓の楽しさや新風への期待感は、昔より増えたように思います。ここらで一発、全てを引っくり返すようなデカイ新人が出て来てくれないかなと。頭ひとつ、ただそれだけ抜きん出ることが本当に難しい。
僕はここにいる。作品を通してそう叫べるよう、頑張ります。


Mさん

拍手コメントありがとうございます。
あんなに美麗な作風を連想して下さって嬉しいです♪ 気障な台詞回しや態度を書くのが、昔から大好きなんですよね(笑)。
ゴールドラッシュやビリー・ザ・キッドなど、あの時代や雰囲気のイメージが常にあります。荒くれ者を書きたいだけかも知れませんが(^^;
シガーバーを舞台にしたシーンも、いつか書いてみたいです。


返信不要の方もありがとうございました。




【何をもって】
>大海彩洋さん
コメントありがとうございます。
批評にある指摘が意味することは何だろうと考えるに、古さを「感じさせるか否か」なのかなと思ったりします。ワンパターンの安心感があるように、いわゆる「お約束」が悪い訳ではなく、しかしそれに則って書かれている作品が「古い」と言われていたり。
逆に自分たちにとっては古く感じるものが、イマドキの若者(!)にはかえって斬新に見えていたりと、見極めは難しいなあと思います。個人的には別に古く感じなかったり、いやいやこの懐かしさがたまらないのよと思ったところで、商業作品としてはNGという厳しさもあるでしょうし。

何をもって、古臭く「感じさせて」しまうのだろうと、そこのところを真剣に悩んだりします。
奇抜で斬新なら受け入れられるかと言えば、結構そうでもなく、人気があるのは王道展開だったり、基本に忠実な構成だったりしますからね。実際に古いか否かではなく、そう感じさせてしまうかどうか、なのかなあと。
じゃあそう感じさせないポイントは何やねん、と悩みは尽きない訳ですが(^^;
【タイトル】
蓮水さん、お邪魔します。
『古い』について……私もよく惑います。
でもまさに、蓮水さんのおっしゃるボーダライン見極めの大切さ、なんでしょうね!
気持ちとしては、古くて何が悪い!って言うところなんですが、つまりは時代が古いというより、使い古されている、というニュアンスなんでしょうか。
でも物語の王道は『古い』んですよね。いわゆる王道とは、おとぎ話や聖書の物語、神話……人類の物語は突き詰めてみたら結局何かの焼き直しで、これだけ小説や作品が溢れていたら、どこかで見たことのないものなんてない、と思うわけです。問題は、そこに何を加えるか、なんじゃないかと思ったりします。
昔、文章教室で、名作を書き換えるという作者さんには申し訳ないことをやらされていましたが、これがいろんな人がいろんなラストを持ってきていて、面白かった。皆さんのSSも、設定が似ているような場合でもそれぞれ全然ニュアンスが違って面白い。古い中にも新しいことはどんどん加わっていく。蓮水さんのおっしゃる通り、本当は中身は新しいんですよ!でなければ、歌舞伎も落語もお能も、同じことを何十年、何百年やっていませんよね。
最近、CMに使われている曲がちょっと古かったり、以前に流行った作品がリメイクされているのを見ると、あ、絶対この関係者は同世代だわ、と思うことがあります。私たちは、自分の大事な時代の出来事、その時に出会った素敵なものを大事に、先の時代へ繋げていけばいいんだ、大事なのは核になる『言いたいこと』と心意気!と思うことにしたいです。
だから大手を振って、古臭く、でも自分なりの表現で闘っていきたいですね!
蓮水さんの書かれたものの中にある世界、古さも新しさもブレンドされていると思います。これからも応援しています!
…長々と失礼いたしました。とっても共感する話題だったので。
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蓮水(はすみ)

Author:蓮水(はすみ)
BLは初挑戦。
久々の投稿生活再開で、わくわく♪

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